EUの戦略とは
現在多くの国で 温室効果ガスの排出量を減らすための政策などが打ち出されているわけだが、その先陣を切ったのといえばEUである。
EUは2050年の温室ガスの排出実質ゼロという宣言を先陣を切って行ったのだ。
目標としては2030年に90年比で55%減を掲げている。
しかしこういった目標を掲げている以上心配として挙がるのが、そこに発生する規制強化である。
EU県内で温室ガスの排出を減らすために規制が強化されることによって、企業が規制が緩い海外に拠点を移すことも懸念され雇用にも響く恐れがある。
そのことからも、輸入品への課金をすることによって企業を守るというような戦略をEUはそこまで描いているのである。
他国も他人ごとではない
EUが脱炭素社会率先して目指しているわけだが、EU以外の国でもこの動きに無関係で居ることはできない。
例えば日本がこの流れに乗らずに現状を貫いた場合他国からの批判を浴びかねないのである。
脱炭素社会を目指す上でEUは米国との連携を探っているような感じであり、米国抜きでは温暖化対策の目標に到達することは難しいというような考えすらあるほどである。
実際2021年の3月には米国のケリー特使が欧州を歴訪してブリュッセルに足を運んでいる。
この際にはディナーを組み込んだ上で温暖化対策の議論をかなりしっかりと交わしたようだ。
その結果ケリー特使は「欧州以上のパートナーはいない」とも発言をしている。
EU独自の仕組み
EUには温室効果ガスを大量に出す産業に対しては、排出量の条件を設けた上でその排出枠が超過してしまった場合や削減した分に関しては売買をするというように「排出量取引」というものが存在している。
炭素の排出には価格がついており、欧州委ではこれを見直し・強化した上で国境措置の導入をはかるという考えをもっている。
炭素の排出量取引と同じように鉄やセメントなどを対象にするであろうという予想がされている。
国境措置の考え方
国境措置に関しては、自動車の場合鉄やアルミの使用量を調べることができるためそれを元に車を生産した時の炭素の排出量を計算することで対象とすることができる。
国境は小さく生むということだけではなく大きく育てるということを明確にしたいと意思を持っている。
国境措置に関しては、欧州議会は議論を先行させている傾向にある。
温暖化対策としてパリ協定が存在しているわけだが、各国がおのおの温室ガス削減に向けた目標を定めた上で温室ガスを削減していくという仕組みになっている。
EUの考え方としては、自発的な取り組みであるパリ協定を越えていくという考えをもっており、ルールメーカーとしての動きを見せなくてはならないという考えも持っていることからも今後の動きに注目していきたい。