ゼロカーボンシティとは?
年々ひどさを増す自然災害などを食い止めるため、環境汚染を食い止めるための活動は必須となっている。
さまざまな活動がなされているが、その中でも二酸化炭素の排出量抑制は世界中の国が取り組んでいる最重要課題と言える。
日本においても、自治体主導でいくつもの異なる二酸化炭素の排出抑制の取り組みがなされていて、その代表例とも言えるのが「ゼロカーボンシティ」という取り組みである。
都道府県もしくは市町村において、二酸化炭素の排出量を2050年までに実質的にゼロにすることを目標とする運動だ。
ゼロカーボンシティとして活動するためには、いくつかの条件がある。
まずはその自治体が、環境省に対してゼロカーボンシティとなるための検討をしていると伝える必要が生じる。
その上で、イベントや記者会見を開いて、明確に二酸化炭素の排出量実質ゼロを目標とすることを宣言しなければならない。
同時に、自治体が運営するホームページやプレスリリースなどにその表明文書を出す。
こうすることで、自治体が取り組みを進めることを公にして市民がその運動に参加しやすいようにするのだ。
ゼロカーボンシティに取り組んでいる自治体
ゼロカーボンシティのこの制度ができて間もなくは参加する自治体はそれほど多くなく、横浜市や東京都、京都市、山梨県といったところだった。
しかし、政府主導で積極的にこの運動を進めることによって、2021年には275もの自治体が宣言を行うようになっている。
このゼロカーボンシティを宣言した都市の総人口は1億人弱に迫る勢いで、日本の大部分が該当していることが分かる。
国からのゼロカーボンシティへの支援
ゼロカーボンシティへの取り組みをしている自治体が増えている背景には、国からの支援が強化されていることも関係している。
さまざまな支援制度があるが、再生エネルギーを導入する際に優先的な支援を受けられることや、災害時に大手電力会社からの給電がストップしても自立できるようにする電気の自給エリアの整備支援といったものがある。
さらに新電力会社を設立する場合、その人材獲得や研修などを行う際に支援を受けられる制度も設けられている。
こうした支援を受けて、ゼロカーボンシティを宣言した都市ではさまざまな取り組みを実施している。
たとえば、鹿児島市では公共施設における再生可能エネルギーの発電設備の導入を進めている。
また、ごみ焼却施設においてバイオガスを作り出しエネルギー源とする施設の拡充も行っている。
市民にもこうした輪を広げるべく、自転車や電車などの公共交通機関をより利用するための運動を進めるといった取り組みもしている。
このようにして、積極的にCO2排出実質ゼロに至るように市民を巻き込んだ運動が始まっているのである。