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脱炭素社会に向けて期待される全固体電池とは

全固体電池とは

電池を貯めたり、放電したりする電解質が固定の電池のことです。
EV用に開発が進められており、過充放電に強く、燃えることがないためリチウムイオン電池に代わる次世代の電池として期待されています。

全固体電池のメリット

リチウムイオン電池のデメリットが解消されるメリットがあります。

発火リスクが少ない

可燃性の高い電解液を使用せずにすむので、発火するリスクを抑えられます。中国ではEVのに火災事故が起きています。

温度の影響が少ない

リチウムイオン電池は20~50度の範囲外での影響が大きくありますが、全固体電池の場合、氷点下でも水が沸騰するような高温でも性能の低下が起こりにくいとされています。

劣化しにくい

リチウムイオン電池は範囲外の温度になると副反応によって劣化してしまいますが、全固体電池は副反応が起こりにくいため劣化しにくくなっています。

実用化への課題

多くのメリットがある全固体電池ですが、実用化には大きな課題があります。

電極と電解質の界面抵抗が大きい

リチウムイオン電池と比べて移動抵抗が大きいため、電池として出力が上げにくいという課題があります。
このままだとEV用電池としては使い物になりません。
しかし、電解液と同等以上の伝導性を持つ材質の開発が進んでいるため、この課題も克服されるかもしれません。

2021年3月5日に日立造船が世界最大級の全固体電池を開発したと発表しました。
現時点で従来の全固体電池に比べて約7倍の容量(1000mAh)はありますが、2025年を目途に容量を数倍に増やすのが目標で、商用化のため連携企業を募るとのことです。